
日中は暑く夜に気温が下がるを繰り返し、そこから急激に日中も肌寒さを感じることが増えてきました。
少しずつ日が落ちるのも早くなり、何となく体の不調を感じ始める人も増えています。
免疫低下にすぐに気づこう
この時期に最も気を付けたいのは「無意識の免疫低下」。
寒くなってくると鼻炎の症状が出ることが増えたり、喉のイガイガ、咳、後鼻漏など、風邪っぽい症状が増えるという方が多いです。

こうした症状は、空気中のウイルスや細菌に対して抵抗力がなくなっている証です。
空気の乾燥等から鼻~喉の機能が制限されることに加え、冷えによる血管の収縮で血液中に含まれる白血球のバランスが取れないことも要因の一つです。
白血球は外部から侵入する異物を攻撃する役割を持ちますが、この働きが上手くいかないと過剰な防衛反応(喉が腫れる、鼻水や痰が出る等)に繋がる傾向にあります。
免疫システムを保つために
免疫システムとは、バランスを常に保ちながら働かせていく必要があるのです。
肌寒くなってきて体の不調を感じたら、まず対策としては「体内を温める」です。
上着やストールなどで外側を保温するのも大切ですが、『心臓から遠い足元を温める』『温かい飲み物や食べ物をとる』ことで臓器から温め、よりダイレクトに免疫機能が働きやすい状況を作っていきます。

続けて「湿度の調整」です。
空気は冷えると水分量が少なくなって乾燥します。睡眠中の呼吸などから鼻や喉の粘膜が乾くと、細菌が侵入しやすくなってしまうため、湿度を50~60%程度にしておくことが大切です。
寒くなってきたらの食養生
また食の面でも体を冷やすものと温めるものを区別していくと良いです。
スパイスや紫蘇、生姜、ニンニクなどの薬味類、カボチャ、ニンジン、タマネギ等の根菜、
栗、クルミなど秋の木の実、アジ、イワシ、鮭、エビなどの身近な海鮮、酒、酢、黒糖なども体を温めます。
もちろん調理は火を通すことをお奨めします。

但し、スパイスは中でも温める力の強い「熱性」に分類されるため、喉や鼻が痛む(炎症している)方には向かないこともあります。
また夏に旬を迎えるサラダ向けの野菜やフルーツは涼性です。熱を加えるか、冷えが強い時などは気を付けましょう。
もともと冷え症の方は、自分で熱を作る力が弱いため、今の時期でなくても免疫機能が働きづらい状態です。
長引く症状で苦しんでいる方は、根本からの体質改善にも気を配っていきましょう。
寒さが体にこたえる方は、ぜひご相談くださいませ。
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岡田 貴之(おかだ たかゆき)
TAKAYUKI OKADA
資格:薬種商(現 医薬品登録販売者)
漢方歴:25年
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