秋は「乾燥」にご用心。東洋医学に学ぶ、心と体を「潤す」養生法

■秋風とともにやってくる「燥邪（そうじゃ）」

過ごしやすい気候になり、空が高く感じる秋。
夏の暑さが落ち着いてホッとする一方で、なんとなく「喉がイガイガする」「肌がかさつく」「空咳が出る」といった不調を感じていませんか？

東洋医学では、秋は**「燥（そう）」の季節と考えます。
自然界の空気が乾くにつれて、私たちの体からも水分が奪われやすくなります。この乾燥による影響を「燥邪（そうじゃ）」と呼び、秋の養生における一番の大敵としています。

■秋にいたわるべきは「肺（はい）」

この時期、最も影響を受けやすい臓腑が「肺（はい）」です。
東洋医学でいう「肺」は、単に呼吸をするだけでなく、皮膚や体表のバリア機能、水分の巡りなどを司る重要な器官です。
「肺」はとてもデリケートで、乾燥を嫌います（これを「喜潤厭燥（きじゅんえんそう）」と言います）。
秋の乾燥によって肺がダメージを受けると、以下のような症状が現れやすくなります。
呼吸器の不調： 空咳、喘息、喉の痛み、声がれ
肌・粘膜のトラブル： 肌荒れ、かゆみ、ドライアイ、鼻の乾燥
排泄のトラブル： 便秘（腸は肺と表裏一体の関係にあるため、潤い不足で硬くなります）
免疫力の低下： バリア機能が落ち、風邪を引きやすくなる
冬に向けて風邪を引きにくい体を作るためにも、秋のうちに「肺」をたっぷりと潤しておくことが大切です。

■幸貴堂がおすすめする「秋の養生」３つのポイント

身体の内側から潤いを生み出し、乾燥から身を守るためのポイントをご紹介します。

１．「白い食材」で肺を潤す

「白い色は肺に入り、潤いを補う」とされています。秋が旬の白い食材を積極的に食卓に取り入れましょう。

２．「酸味」で潤いを逃さない

辛いもの（唐辛子や胡椒など）の摂りすぎは発汗を促し、身体を乾燥させるため、秋は少し控えめに。
代わりに、水分を体につなぎ止める働き（収斂作用）がある「酸味」を適度に取り入れましょう。

・おすすめ食材： 酢、レモン、みかん、ぶどう、梅干し

３．「憂い」の感情を溜め込まない

秋は「悲・憂（ひ・ゆう）」の季節とも言われ、日が短くなるにつれてセンチメンタルな気分になりやすい時期です。
過度な悲しみや憂鬱は、「肺」の気を消耗させてしまいます。
天気の良い日は散歩をして日光を浴びたり、深呼吸をして胸（肺）を大きく広げたりして、気の巡りを良くしましょう。

■その不調、お一人で悩まずご相談ください

「毎年、秋になると咳が止まらなくなる」
「保湿クリームを塗っても肌のかゆみが治まらない」
「秋の夜長、眠りが浅くて疲れが取れない」

季節の変わり目に感じる不調は、身体からの「SOS」です。
漢方薬舗幸貴堂では、東洋医学のプロフェッショナルが、お客様の体質や現在の状態（証）を詳しく分析し、最適な漢方薬や生活養生をご提案いたします。同じ「乾燥」でも、体を温めて潤すべきか、熱を冷まして潤すべきかは、人それぞれ異なります。

お悩みの方は、専門スタッフまでお申し付けくださいませ。
実りの秋を、心身ともに健やかにお過ごしいただけるようサポートさせていただきます。

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